OLIVE HOUSE COFFEE
綺麗事を言うことが教員の仕事の一部だと頭でわかっていても、圧倒的なリアリティのあるお悩み相談にはとって綺麗事は大して役に立たない。
それどころか下手をすると余計に相手を絶望させることになりかねない。
学生でも、社会人でもそうだ。
対話…ダイアログが世界を前進させることはわかっているし、それがあちらこちらで連日行われていることも知っている。もちろん効果的な取り組みで、嫌いじゃないどころか好物でもある。大学の学食にあるどのメニューよりもね。
俗に「カフェ」と呼ばれる対話の場は増えすぎたために…誤解を恐れずに言えば室の差が大きいんじゃないかと思ってる。
「未来をつくるkaigoカフェ」の質は高すぎてぐうの音も出ないっていうのが本音だけれど、随分前に参加した某「カフェ」はまるで消えゆくまちのおっさん会議のようだった。
対話の場という意味での
「カフェをつくりたい」
「カフェをつくってほしい」
「カフェがある地域にしたい」
という言葉はあちこちから聞こえてくる。それも連日のように。
カフェという形であるかないかは別として、自分の中でも何かしらオフラインの場をつくることは一つ刺激的なんじゃないかと思っていたのは事実なんだ。
随分前に特養のホールを借りてそんなことをやってみた時期もあったけれど、あまり性に合わなかった。とにかく準備と運営に時間と労力がかかりすぎるのが原因だろう。
ホールのキャパはざっと見ても100名以上。
実際に集まったのは70名、テーブルや椅子の出し入れだけでも相当な時間がかかる。もちろん参加者も手伝ってくれるけれど、フライヤーをつくってアナウンスをして、申し込みの管理をして当日の買い出しと運営…たしか当時は7名程度でやってた気がする。人数的に十分でもそれぞれの都合と能力が噛み合うまでは時間もかかる。
例えばこれを本気で継続するとなるとメンバー集めでまず難航する。
おそらく、いや、確実に何度も入れ替えがあって、実働できる人間が少なくて、期日は迫ってきて…という自体が起こる。
自然と必然の中で成長するカフェというものは確かに存在しているけれど、そんなに多いわけではないんじゃないかな。
そしてその「良く成長したカフェ」を目指すから現実的にローカライズされた課題に目が向かなくなり、明確なビジョンが描けなくなる。これはあまり歓迎できることじゃない。
だからこそ「未来をつくるkaigoカフェ」はリスペクトしているし、あれだけのクオリティで継続、それも各地に展開できるシステムを作っている流れは凄い。
おそらく今のコトラボでそれをするのは難しいし、少し形を変えなければならない。…ああ、そうだった、なにもカフェをやろうと思っているんじゃなかった。
本題に入ろうか。
今回準備したものは
・部屋
・座布団
・珈琲
の3つ。テーブルも合わせれば4つ。部屋にはキッチンがあって、幸運なことに2つ隣にあるコトラボアトリエには僕のコーヒーミル、ドリップセット、エプスレッソマシンがある、もちろんフィルターも。
もうひとつの幸運は豆を焙煎するためのアイテムを手に入れたこと、手動の小さいやつだけど、十分なやつだ。
ここに来たい人だけ集まってもらうことにした。
テーマもファシリテーターもなにもない、ただ場所があるだけの…本当の意味での「場」になる。
せっかく来てくれるわけだし、珈琲豆はここで焙煎してドリップして淹れることにしよう。
「ただ はなす かい」
と言っても、なんだかよくわからない。
従来のカフェとも違う。
場をつくるだけのことなんだ。
だから、まぁあえて言うなら「僕が豆を焙煎して珈琲を淹れるからあとは適当にやってよ」の場。
それを昨日、初めてやってみた。
2日前、数人に声をかけただけなのに7人集まってくれて、それなりに3時間以上は喋ってたようで、端から見ているだけで面白かった。
自分はほとんど混ざらなかったけれど、それはそれでいいと思う。
何かを得るかもしれないし、手ぶらで帰るかもしれないし、もしかしたらムカついて帰るかもしれない。相談に乗ることになるかもしれないし、相談するかもしれない。
その程度でいいんじゃないかな、というより「それしかできない」からそれをやろう。
一応場所代だけ、ワンコインをいただくことにして。
いくらとは言わない、「ワンコイン」でね。
このスタイルなら月に3,4回だって出来る。
だって自分がやることは「豆を買って来て、そこにいて、珈琲を淹れる」だけだからね。普段やってること。
でも何か名前がないとアナウンスに困るな。
そうだ、カフェは違うからコーヒーハウスにしよう。
場所を覚えてもらいたいから「オリーブハウス」の「コーヒーハウス」
OLIVE HOUSE COFFEE
にしてみよう。
さぁ、時間の無駄になるかもしれないコーヒーハウスに、皆さんもぜひ。
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